Kデスクトップ環境

第 5章Kmailで他のメーラーのメールボックス・ファイルを使う

この章は、今まで使っていたEメールクライアントからKmailにEメール メッセージを移したいと考えている全てのユーザに対して、書かれたものです。 Kmailでは、メールを mbox フォーマットで保存しています。この mbox フォーマットは、 UNIXシステム上で最も一般的に用いられているメールボックスのフォーマットの一つです。 mbox形式のメールボックスは、複数のメッセージを一つのファイルに保存しており、 ヘッダの 「From:」 で、どこがメッセージの開始位置であるか終了位置であるかを認識しています。 多くの Unix メーラーの場合メールボックスを ˜/Mail に移動し(若しくは、メールボックスを含むフォルダにMailとシンボリックリンクを張り)、 Kmailを起動するだけでOKです。そのメールボックスは、Kmailで、ちゃんと表示されるはずです。

もし、あなたの使っていたメーラーのメールボックスがmboxフォーマットでないのなら、 以下に示す他のフォーマットのデータをインポートする方法を参考にしてください。

Eudora Lite/Eudora Pro

Eudoraでは、メールファイルにmboxフォーマットが採用されてます。 EudoraのメールファイルをKmailで使用するためには、 まず、Eudoraのメールボックスがコンパクトされていることを確認して、 その.mbxファイル(Windows Eudoraの場合)か Eudora メールボックスファイル(Mac Eudoraの場合)を ˜/Mail ディレクトリにコピーしてください。 なお、インデックスファイルをコピーする必要はありません。 その上で、Kmailを起動すれば、コピーしたメールボックスがフォルダ表示領域内に表示され、 ヘッダ表示領域で、そのコピーしたメッセージにアクセスすることができるようになります。

もし、メッセージがヘッダ表示領域に表示されなかったとしたら、 そのコピーしたメールボックスファイルにまだWindowsやMacの改行コード(WindowsであればCR+LF) が含まれている可能性があります。お好みのエディタやスクリプト言語を使って、 WindowsやMacの改行コードをUnixの改行コードに変えてください。

MMDF

このフォーマットは、 ˜/Mail ディレクトリにコピーされたなら、 Kmailで利用することができるメールボックスのフォーマットにかなり近いものです。 しかし、MMDFのメールボックスは、まだ Kmail ではテストされてませんので、Kmailで利用できないかも知れません。 このフォーマットのメールボックスファイルを Kmail で利用できた場合には、我々に、その旨をお知らせください。 そうしていただければ、我々は、次のリリースのドキュメントに、より詳しい記述を載せることができます。

MH mailboxes

MHメールボックスは、一メール一ファイル方式で各メールファイルが保存されるディレクトリです。 Kmailのソースリリースには、このMHメールボックスをmboxメールボックスに変換するシェルスクリプト、 mh2kmail が、含まれています。 しかし、このスクリプトは、現時点では、パッケージリリースには含まれておりません(これは、将来変わるかも知れません)。 MHフォルダに対してこのスクリプトを実行すると、そのMHフォルダをmboxファイルに変換してくれます。 なお、我々としては、このスクリプトを実行する前に、MHメールのフォルダのバックアップをとっておくことを強く推奨します。

Maildir

Maildirのメールボックスは、-これは、Qmailメール転送エージェントで用いられているものですが−現時点では、 Kmailでサポートされていません。

Forte Agent

Agent 側:

  1. エクスポートするメッセージを選択する。

  2. 「FILE」 | 「SAVE MESSAGES AS」を選択する。

  3. UNIX FORMATSAVE RAW にチェックを入れる。

  4. ファイルの拡張子を ".txt" として保存する。

Linux/KDE 側:

  1. 上で保存したファイルを正しい ˜/Mail フォルダに移動する。

  2. ファイル名を ".txt" なしにリネームする。

Kmailを開くと、新しいメッセージフォルダがあり、 そのフォルダにはAgent側からエクスポートされたメッセージが入っているでしょう。

Netscape Mail

Netscapeのメールファイルを ˜/nsmail/ から、 ˜/Mail にコピーして下さい。 そうすれば、次回、Kmailを起動した際には、そのメールボックスを見ることができるでしょう。

Pegasus Mail

Pegasus for win32 では、Kmail同様、各メールフォルダを一ファイルとして取り 扱っています。Pegasus Mailのメールフォルダファイルは、".pmm"という拡張子で 示されていますが、それらは、メッセージがFrom:ヘッダからではなく制御文字から 始まっていることを除き、mboxファイルと同じフォーマットです。このメール フォルダを使えるようにするためには、各制御文字を From aaa@aaa Mon Jan 01 00:00:00 1997 に置き換えてください。 この From: 行は、各メッセージの一行目にあるべきです。つまり、 Received: や他のヘッダの前にあるべきです。なお、これらの処理に 用いるテキストエディタが、Unixフォーマットでファイルを保存することのできるものであることを確認してください。

Microsoft Outlook, Lotus Notes, BeOS Mail files, cc: Mail, その他...

他のメールプログラムのメールボックスは、多分、Kmailでは使えません。 Kmailの解釈できない特殊なメールフォーマットを採用しているからです。 だからといって、トライすることもダメだというわけではありません。 もし、そのメールボックスファイルがmboxフォーマットみたいに見えるのであれば、それを ˜/Mailディレクトリにコピーし、 どうなるか見てみてください。 但し、インデックスファイルはコピーする必要はありません。 もし、あなたが気に入っているKmail以外のメールクライアントからメールボックスを得て、Kmailで使えたなら、 どうやったか我々に教えてください。そうすれば、このドキュメントをいずれ改訂する際に、その方法を含めることができます。

Becky! Internet Mail

(訳注:この内容は、訳者が勝手に追加しました。)Becky! Internet Mailでは、 mboxフォーマットのファイルをエクスポートすることができます。次の手順を参考にしてください。

Becky側:

  1. エクスポートするメッセージを選択する。

  2. 「ツール」 | 「エクスポート」を選択する。

  3. UNIX標準 mbox 形式 にチェックを入れる。

  4. ファイルの拡張子を ".mbox" として保存する。

Linux/KDE側:

  1. 上で保存したファイルを ˜/Mail フォルダに移動する。

  2. ファイル名には変更を加えずに、Kmailを起動する。

Kmailを開くと、"〜.mbox"というフォルダがフォルダ表示領域に現れます。 このフォルダには、Becky側からエクスポートされたメッセージが入っています。 もし、メッセージがうまく表示されなかったり、 そのメッセージに返信等しようとした際にちゃんと引用できなかったりするときは、nkfなどを使って、 そのmboxファイルの文字コードを変換してください。